跳躍を完璧にしたければ「音をだすな」!?

◾️ピアノ演奏の登竜門





難曲とされるピアノ曲のほとんどでは、
しばしば幅の広い&高速の跳躍にエンカウントします。



その度に私たちは闘志を燃やしたり、
あるいはうんざりしたりするわけですが、

こんな跳躍でも落ち着いて着実に
練習していけば誰でも必ずインテンポで
弾くことができるようになります。


ピアノを練習する際には
いつでも心に留めておかなければいけない
1番大事なことは
「焦らないこと」です。

これはいくら強調しても
強調しすぎることはないと思っています。

はっきり言って
この点さえ心がけて
練習をしさえすれば、
弾けない曲などありません。




◾️最速かつ確実に跳躍をクリアする練習法



ということで
幅広・高速の跳躍に
出くわしても焦らずゆっくりと
練習を積み重ねていきましょう。


練習最初は果てしない道のりに
感じますが、
しっかりと手順を踏んで進めれば
意外と時間は短く済むものです。







それを焦って速く弾いてみたり
テキトーに弾いたりすることで
逆に時間のかかる結果となってしまいます。



さて、早速、
誰にでも簡単に
幅広&高速の跳躍をマスターできる練習法
をご紹介します。



この練習のポイントは
「音を出さない」ことです。




STEP1  跳躍前の音、跳躍後の音両方の指使いを決める





指使いが決まっていなければ
指のセッティングのときに
迷いが生じてしまいます。


すると素早い移動が不可能になってしまい
跳躍も失敗に終わります。


跳躍に限らずですが、
ピアノの譜読みの際には
まず第一に指使いを決めること。
これは鉄則です。


以下の点に注意して、
指使いを決めましょう。


・すぐに準備できる自然な指使いであること

・前後の流れに適した指使いであること


「前後の流れに適した」というのは
通しで弾いた時にも問題なく弾ける指使いということです。

跳躍の部分だけ抜き取って指使いを決めると、
実際に通して弾いてみたときに
その指使いが使えない!
ということが起こってしまいます。



色々なパターンを“ゆっくりと”試してみて
一番弾きやすい指使いにしましょう。


そして決めた指使いは必ず
楽譜に書き込んでおくこと。


一度決めたらその指使い以外では
決して弾かないことが大事です。


そうしないと身体がいつまでたっても
覚えてくれません。


逆に毎回同じ指使いで弾くことにより
より早く身体がその動きに慣れてくれます




STEP2  鍵盤上の移動の練習






指使いを決めたら次は、
鍵盤上の水平移動の練習です。
まずは音を出さずに
手の動きのみを練習します。


なぜ音を出さないのか。


それは、音を出すと
手の移動以外の様々な要素、
例えば和音のバランスだとか
タッチであるとか、

そういったことに意識を
削がれてしまい、
肝心の手の移動に対する
集中が疎かになるからです。


効率の点から言って
これは非常に無駄の多い練習になります。



ぜひどの練習でも
心がけていただきたいのは
「ポイントを一つに絞る」
ということです。


手の移動の練習だったら手の移動だけ。
和音のバランスを決めるのだったら
和音のバランスだけ。


それ以外の要素は
ひとまず置いておく。
そうすることで効率よく
練習の成果が現れてきてくれます。





さて、話を元に戻します。

この練習でのポイントは
「手の水平移動」です。

この水平移動が意外とできていないことが多いです。


素早い跳躍を実現するには
手の動きに無駄があってはいけません。

手を鍵盤から離して
弧を描くように移動させるのと、

鍵盤から手を離さずに水平に移動させるのとでは
移動時間に僅かながら差が出ます。


この差が実際の演奏では
ミスするか楽に跳躍できるかの分かれ目になります。




やり方はいたって簡単です。


1、 手を鍵盤の上、鍵盤に触れるか触れないかくらいの
距離にセットします。


2、その距離を保ったまま
手を鍵盤上の左右に動かしてください。

まずはゆっくりと手と鍵盤の距離が
変わらないこと
を確認しながら。


3、 そして次第に早く、早くしても
同じように距離を保てていることを
意識してください。




この練習はトロンボーン奏者が
スライドを楽器と平行に動かす練習をするのと
似ています。

彼らにとって
スライドを平行に動かすことは
安定した演奏には絶対に欠かせない要素です。


ピアノも同じだと思ってください。
鍵盤水平に手を移動させることが
安定した演奏には欠かせません。



STEP3  実際の指使いでの移動練習





手の水平移動に慣れてきたら
今度は実際の跳躍の練習です。


ここでのポイントは
「素早く正確な位置に移動すること」。


1、まず跳躍前の音に手をセッティングし、

2、それから手を水平移動させ、

3、跳躍後の音に手をセッティング。


この一連の動作を
メトロノームを使って練習しましょう。


まずはゆっくりなテンポで
行ったり来たり。

次第に早くして
行ったり来たり。

目を瞑っても
そっぽを向いても
正確に移動できる
確認しながら進めていきます。


インテンポでも鍵盤を見ずに
正確に音を掴めるようになったら
次のステップです。




STEP4  音を出してみよう!






ここまでのステップが完全になって初めて
音を出します。


このステップでのポイントは

まず一に、
跳躍前後の音を
それぞれ綺麗に鳴らすこと」。


それができたら次は
「跳躍を挟んでもなお
それぞれの音が綺麗に鳴らせること」。


そして最後に
「インテンポで弾いても綺麗に鳴らせること」
です。



ここでもまずはゆっくりなテンポで練習し、
次第に速くしていきましょう。

と言っても、ここまでのステップを
しっかりとクリアしてきていれば
このステップにそれほど時間はかかりません。





いかがでしたでしょうか。

全てのステップをクリアするのに
かかる時間は、およそ20分程度でしょう。

もちろん個人差もありますが、
あまり練習時間が取れないという方でも
無理なく確実に
難所をクリアできる練習です。


練習時間の確保が難しい人ほど、
曲の一箇所だけピックアップして
集中練習する、ということを

心がけてほしいと思います。

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